シュテファン・ロホナー


プロフィール

生誕/死没

1400年頃?~1451年頃

ドイツ

代表作

バラの聖母

画像_シュテファン・ロホナー「バラの聖母」

これがロホナーの最高傑作と言えるでしょう。一見華やかそうに見えますが、ギラギラを抑えた落ち着きのあるかわいらしさが魅力的です。

最後の審判

画像_シュテファン・ロホナー「最後の審判」

同時代に描かれた他の「最後の審判」と比べても、ロホナーの幻想性はきわだっています。

聖母子と東方三博士の礼拝

画像_シュテファン・ロホナー「聖母子と東方三博士の礼拝」

布地や服飾品のリアリティからは同時代の天才画家ヤン・ファン・エイクの影響も見てとれますが、神秘的でありながらかわいさの漂う絵はやはりロホナーの個性が全面的に表された結果でしょう。

プロフィール

生まれや環境

シュテファン・ロホナーは、20世紀になるまでずっと評価されてこなかった画家の1人であるため、また、初期ルネサンスという非常に昔の画家であるため、どういう人物でどういう育ちだったのかはあまり明らかになっていません。

生まれは現在のドイツ最南の地域にあるメーアスブルクという町だとされています。現存する作品が1440年以降のものばかりのため、1400年前後に生まれたのではないかと言われています。

ロホナーは1440年頃までには同じくドイツのケルンへ移動し、そこで画家として仕事をおこなっていました。

ロホナーが画家として活躍しだした頃に亡くなってしまいましたが、ドイツのすぐお隣であったフランドル(現在のベルギー・オランダ・フランスをまたぐ辺りの地域)には、後世まで讃えられる実績を残したヤン・ファン・エイクという大巨匠がおり、ロホナーの絵画からもヤン・ファン・エイク的な、写実的な描写が見てとれます。(個人的には、聖人たちの服のひだから特にそれを感じますね。)

亡くなる1年前に、ロホナーはケルンの市議会議員になっており、ケルンの人々にとって認められた大画家であったことは、彼の死後も栄えた大規模な工房から明らかになっています。

残念なことにシュテファン・ロホナーは、当時流行したペストにかかってしまい、まだまだこれからというところで亡くなってしまいました。

作風

愛すべきかわいらしい丸顔!

シュテファン・ロホナーの絵でもっとも分かりやすい描写上の特徴は、その人物たちのふっくらした丸顔だと思います。ほんのり頬に赤みが差したすべすべとした肌。丸くころころとした眼。聖母マリアも、尊さや高貴さ以上に、かわいらしさや幼さや純粋さが表されています。

金色を広くあしらう描き方は、一見するとルネサンス以前の国際ゴシック様式に近いようにも感じますが、国際ゴシック様式のとがった華美さは見受けられません。どうやらロホナーは、ギラギラとした光を嫌い、あえて光を抑えるような描き方をしていたようです。

それはロホナーが、キリスト教の図像としての正確さや聖像画としての意義以上に、注文主に愛される聖母マリアやイエス・キリストの像を描こうとした結果なのだろうと思います。

ゴシック様式とルネサンス美術の両方の個性を兼ね備えたことから、ジャンル分けが難しい画家と言われていますが、一般的には後期ゴシック美術の画家、と言われています。(まぁ、絵画鑑賞を楽しむ側としては、あまりそういうジャンル分けに意味はないですけどね。笑)

 

ロホナーの絵は丸顔ゆえにどの人物像も幼く見えますが、とりわけ天使が明確に子どもの姿で描かれているのも特徴的ですね。今でこそ天使を子どもの姿で描くことは一般的ですが、当時としては非常に珍しく、それもまた”ロホナー的”であると私は思います。