眼=気球


画像_オディロン・ルドン「眼=気球」

絵のタイトルは?

[日] 眼=気球

[英] Eye-Balloon

誰が描いた絵?

オディロン・ルドン

いつどこで描かれた絵?

1878年、フランス

何のために描かれた絵?

自身の作品として描かれた。

何が描かれている?

やはりもっとも印象的なのは大きな目でしょう。木炭画というモノクロの世界でぎょろりとした眼球が宙にぽっかり浮かんでいます。タイトルにもあるようにこの眼球が気球となっており、目の下に吊り下げられたものは、注意深く見ると、人間の頭蓋骨(頭部と眼窩のみ?)がお盆か何かに乗せられているようにも見えます。

背景に目を移してみましょう。左下にはほんの少しの雑草が生え、そこが荒野のような大地であることを示しています。空も大地もシンプルに描かれており、それが一層物寂しさを感じさせます。

どうやって描いた絵?

紙に木炭で描かれている。

この絵の見どころ

内向的な画家ならではの心象風景を楽しむ

この絵を楽しむためのエッセンスとして、オディロン・ルドンという画家の人間性を知っておくと良いと思います。

ルドンが活躍した時代は、ちょうど印象主義が台頭した時代でしたが、明るい外光をキャンバスに写し取ろうとした印象派の画家たちと違い、ルドンは独自の内省的な世界を描きます。もともと物静かで内向的な画家だったこともあり、彼は自分の心に漂うさまざまな”モヤモヤ”を描いたのでした。

この「眼=気球」という絵は、ルドンがまだ若く、彼の独自性が特に強く現れている木炭画を数多く制作した「黒の時代」に描かれたものです。

当時のルドンが師と仰いでいたのは、先輩画家ではなく、植物学者のアルマン・クラヴォーでした。幼い頃から孤独の中で自然を愛し、さらに青年期にクラヴォーによって顕微鏡を使った微生物などの観察をさせてもらっていたルドンは、”見る”、”見抜く”という行為に対して特別な意識を持つようになります。

「眼=気球」はその”見る”という行為を象徴的に描いたものであると言われています。このように心の内側にあるイメージを象徴する形で表現しようとする態度から、オディロン・ルドンは象徴主義の画家とみなされることが多いです。が、彼は世間の流行に惑わされることなく、独自の世界を築きあげた画家だったのだろうと思います。

なお、黒の時代のルドンの絵には、他にも眼球をモチーフにしたものがたくさんあります。

どこで鑑賞できる?

ニューヨーク近代美術館(アメリカ)