偽物のモナ・リザが約4億円で落札?!その理由や作品を分かりやすく解説!

偽物のモナ・リザが約4億円で落札?!その理由や作品を分かりやすく解説!

ご、号外だ〜!

どうしたの、歌琳さん。

モナ・リザの偽物がオークションで約4億円で落札されたんだってよ……!

モナリザ複製画、4億円近くで落札 パリ:時事ドットコム

あら、情報が早いわね。
2021年6月19日に報じられたニュースね。

では今回は、モナ・リザの複製画がなぜ4億円という高値で落札されたのか解説していこうと思うわ♪

落札されたモナ・リザの複製画とは?

なぁ、ルネちゃん。
複製画」って要するに偽物のことだよな?

いえ。
複製画は、本物をもとに別の画家が模倣して制作した絵画のことを指すわ。

なので、別に偽物というわけではないのよ。

なるほどな!

じゃあ今回落札されたモナ・リザは、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたわけではないけど、ダ・ヴィンチ作のモナ・リザを模倣した作品ではあるってことか!

そういうことね♪

今回、競売商クリスティーズのオークションで落札されたモナ・リザは、
ヘッキングのモナ・リザ
って呼ばれているんだってな?

ヘッキングのモナ・リザ

ヘッキングのモナ・リザ。
17世紀に描かれた作者不明の複製画。
参照:《モナ・リザ》の複製画がクリスティーズに出品。予想落札価格は約2700万〜4000万円|美術手帖

そうね。

ヘッキングのモナ・リザは17世紀に制作されたと言われていて、作者は不明なの。

けど、さっきも言ったようにダ・ヴィンチの描いたモナ・リザの複製画ではあるのよ。

ふむふむ。
確かに、ルーヴル美術館にある本物のモナ・リザとモデルの顔の感じやポーズは似ているな!

レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」
ルーヴル美術館所蔵のレオナルド・ダ・ヴィンチ作「モナ・リザ」。

ところで、なんで「ヘッキングのモナ・リザ」と呼ばれているんだ?

ヘッキングはこの複製画の持ち主であるフランス人コレクター、レイモンド・ヘッキング氏の名前から来ているのよ。

ヘッキング氏はこのモナ・リザを、1950年代に骨董店で購入したわ。

なんでこんなに高額なのか?

ヘッキングののモナ・リザは、当初の予想では4,000万円くらいになるだろうって言われていたの。

ところが、蓋を開けて見たら3億8,000万円という予想の10倍近くの高値で落札されたわ。

ひょえ〜〜!

けどさ、一コレクターが骨董屋で買った絵がなんでこんな高値になったんだ?

ヘッキング氏が本物だと主張し続けてきた結果

理由の一つとして、ヘッキング氏が購入当初からずっと
「自分の持っているモナ・リザこそが本物だ!」
と主張し続けてきた
ことがあるわ。

え?!そうだったのか!

でも世界中の誰もがルーヴル美術館のモナ・リザが本物だと思っているんだぜ?

そんな中、自分の買ったモナ・リザが本物だと主張するなんて無茶だよな……!

そうね。
実際、専門家たちからは
「ヘッキングのモナ・リザは本物ではなく複製画」
とはっきりと言われている
わ。

じゃあ、なんでヘッキング氏はそれでも
「自分の所有するモナ・リザが本物だ」
と主張し続けているんだ?

実は、ヘッキング氏の主張は完全に荒唐無稽な主張では無くて、彼なりにきちんと論理があるの。

歌琳さんは、1911年にあったルーヴル美術館のモナ・リザ盗難事件を知っているかしら?

え〜と、盗難されたけど2年後に無事戻ってきたってやつだよな?

そう。

ヘッキング氏は、この盗難事件後に戻ってきたモナ・リザは偽物だと考えているの。

え〜?!

……ん?
でも、たとえ今ルーヴル美術館にあるモナ・リザが偽物だったとしても、だからといってヘッキングのモナ・リザが本物になるってわけじゃないような……?

……コホンッ!

とにかく、ヘッキング氏は彼なりにヘッキングのモナ・リザの価値を主張し続けてきたのよ。

それも、ただ主張するだけでなくてヘッキングのモナ・リザの価値を擁護するためにさまざまな活動をおこなったの。

例えば、どんな活動をおこなったんだ?

1960年代には、ヘッキングのモナ・リザをアメリカのワシントンD.C.にあるナショナル・ギャラリーや、ニューヨークにあるメトロポリタン美術館に貸し出したわ。

それに、2011〜12年にかけては、日本のBunkamura ザ・ミュージアムや静岡市美術館、福岡市美術館でも展示されたのよ。

す、すごいな!

モナ・リザの影響力の強さを証明しているから

でも、やっぱり専門家からは「本物ではない」って言われているんだよな?

そう考えると、いかにヘッキング氏が価値を主張したところで、4億円なんて高値になるのはおかしい気がするぜ……。

そうね。

ただ間違えないでほしいのが、確かにヘッキングのモナ・リザは本物ではないけれども、それはあくまで「ダ・ヴィンチ作ではない」という点においてのみなの。

どういうことだ?

ダ・ヴィンチが描いたものでないとはいえ、ダ・ヴィンチ作のモナ・リザに感銘を受けた17世紀の画家が模倣して描いたモナ・リザであることは間違いないのよ。

なるほど!

ダ・ヴィンチが描いたモナ・リザが、100年後の画家にもインスピレーションを与えるような名作であることの証明になっているってことか!

そういうことね♪

ヘッキングのモナ・リザは、ダ・ヴィンチ作の本物のモナ・リザの価値を高めている点で、充分に価値がある存在よ。

約4億円という予想以上の高額になったのは、その点が評価された可能性が高いわね。

モナ・リザについてもっと知りたい人は

モナ・リザの複製画が4億円で落札されたニュースでモナ・リザについて興味を持った方は、ぜひモナ・リザの解説記事も読んでみてほしいわ。

実は、ルーヴル美術館のモナ・リザも本物ではない?という説があるし、モナ・リザの謎を追うのは面白いぜ!

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