「新古典主義」を分かりやすく解説!

「新古典主義」を分かりやすく解説!

今回は新古典主義について解説するわね。

新古典……?!
新しいのか古いのか……。

「新古典主義」の代表作は?

まずは新古典主義の代表作を見ていくわ。

ジャック=ルイ・ダヴィッド「ホラティウス兄弟の誓い」
ジャック=ルイ・ダヴィッド「ホラティウス兄弟の誓い」
1784年/ルーヴル美術館(フランス)所蔵
ジャック=ルイ・ダヴィッド「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」
ジャック=ルイ・ダヴィッド「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」
1801年/マルメゾン城(フランス)所蔵
ドミニク・アングル「玉座のナポレオン」
ドミニク・アングル「玉座のナポレオン」
1806年/オテル・デ・ザンヴァリッド内軍事博物館(フランス)所蔵

なんというか、おごそかだなぁ……。

「新古典主義」の特徴は?

それでは、新古典主義の特徴を解説するわね。

理性的できっちりした様式

まず新古典主義の特徴を理解するためには、前の時代の美術であるロココ美術や、さらにその前のバロック美術と比較するのが良いわね。

ロココ美術は、優雅で甘美な表現だったよな〜。
自由奔放な印象。

で、バロック美術は感情的、かつ、ドラマティックで……。

新古典主義はその逆が特徴になるわ。

なので、

・理性的
・おカタい
・写実的


といった特徴があるわね。

あらら、本当に真逆だな!

新古典主義は、ロココ美術やバロック美術を否定する形で生まれたの。

理想や装飾で飾られた表現ではなく、現実に即した写実的な表現にしようという動きが起こったのよ。

そのときに理想として掲げられたのが当時から見て古典の模範であったルネサンス美術よ。

そっか、新古典主義の時代から見たルネサンスって、現代の日本人が見た江戸時代くらい過去の話だもんな!

そりゃ古典にもなるか……!

さらには、ルネサンス美術が模範とした
ギリシャ美術
ローマ美術
も、新古典主義の目指す理想形となったわ。

空前の古典美術ブーム

なるほどな〜。

でも、なんで18世紀末から19世紀初頭のフランスで、
「古典を模範にしよう!」
という動きになったんだ?

古典美術ブームにはあるきっかけがあったの。

それは、1748年にポンペイの遺跡が発見されたことよ。

ポンペイ?

ポンペイは、ローマ帝国時代の古代都市

現在のイタリア・ナポリ近郊にあるヴェスヴィオ火山が噴火したことで、ポンペイは火砕流に飲み込まれてしまったの。

うわ〜!
そんなことがあったのか……!

そのポンペイが発見され、発掘が開始したのが18世紀末。

当時の建築物や壁画がたくさん出土したわ。

結果、古典美術をもう一度見直そうという風潮が生まれて、新古典主義の台頭に繋がったの。

日本でも90年代リバイバルとかあるもんな。
レトロ趣味的な良さもあったんだろうな〜。

再発見した古典美術を当時のフランスの歴史背景に適用したから、“新”古典主義と呼ばれているのよ。

フランス革命が後押しになった

ってことは、新古典主義について知るためには、当時のフランスの時代背景も重要になってくるってことか?

そのとおりよ。
新古典主義を語る上で外せないのが「フランス革命」の存在。

新古典主義は、フランス革命と共にあったと言っても過言ではないの。

フランス革命はどんな革命だったんだ?

1789年から1795年にかけて起こった革命よ。

それまで力を持っていた貴族や聖職者たちを相手に、市民たちが自由を勝ち取ったの。

フランスの歴史を大きく動かした出来事だったんだな!

貴族や聖職者たちによる支配への反発がある中で、美術の潮流も前時代に反発する形になったわ。

ローマに忠誠を誓う兄弟の姿を描いた「ホラティウス兄弟の誓い」も、フランスに忠誠を誓う革命前夜の市民の姿を重ねているんだよな〜。

ジャック=ルイ・ダヴィッド「ホラティウス兄弟の誓い」
フランスの市民たちは、国への忠誠を誓うホラティウス三兄弟に革命前夜の自分たちの姿を重ねた。

そうね。
愛国心を団結の証として、市民たちは革命行動を起こしたわ。

ジャック=ルイ・ダヴィッドの描いた作品は、当時の多くの市民たちの心を高ぶらせたでしょうね。

新古典主義は市民側の視点での時代の証人的な役割もあったんだな〜。

フランス革命が起こって国王ルイ16世は失脚し、無事に市民は自由を手に入れたけど、また新たな問題が生じたの。

新たな問題?

誰が政治をコントロールするか問題よ。

フランスという国がどういう方向へ進むのかを占う重要なものゆえに、市民同士でも実権を奪い合う形になったわ。

だからフランス革命中は、数ヶ月から数年でどんどん政権が変わっていったのか……!

さらに、フランス革命に乗じた周辺諸国によって、1792年から1799年まで「フランス革命戦争」が起こったの。

この時期、フランスは国内外ともにゴタゴタしていたわ。

内部統制だけでなく、周辺諸国との関係にも気を配らなきゃならないなんて、フランスが大ピンチだ……!

ナポレオンの登場で美術が変化

国難のときほど英雄が生まれるもの。

革命後の混乱の最中にいたフランスをまとめあげる人物が登場するわ。

ナポレオン・ボナパルトよ。

おお!
あのナポレオンかー!

ナポレオンはフランス革命戦争で軍人として力を発揮し、軍事独裁政権を作ったの。

フランス帝国が誕生したんだな!

ナポレオンの帝政時代も新古典主義の作品は作られていたわ。

でも、ナポレオン登場以前と以後とでは、明らかに新古典主義の作風に変化があったの。

どんな変化があったんだ?

ナポレオンの偉大さを誇示するような作品が増えたの。

代表作で紹介した「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」と「玉座のナポレオン」はどちらも、ナポレオン時代の作品ね。

言われてみれば、ナポレオンを威厳たっぷりに描いているような〜。
ちょっと威圧感すら感じるような……。

新古典主義の写実性や堅さは踏襲しているものの、ナポレオンの偉大さを表現の中心においているわ。

だから、ナポレオン統治下の美術を特別に「帝政様式(アンピール様式)」と呼ぶことがあるわね。

「新古典主義」が見れる場所は?

日本国内で、新古典主義の作品をまとめて鑑賞できる場所は残念ながら無いわね。

歴史の教科書にも載っているような代表作があるとはいえ、あんまり国内で新古典主義の企画展をやっているイメージが無いんだよなぁ。

そのとおりね。

だから、もし新古典主義の作品についてもっと知りたい方は書籍や画集を購入することをおすすめするわ。

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