「アート」と「エンタメ」の違いって?

「アート」と「エンタメ」の違いって?

アートが何かってのは「アートって何?」の記事でよく分かったぜ!

アートって要するに、触れた人の気持ちや心を動かすものなんだな。

その通りよ、歌琳さん♪

あれ……、でもそれってさ、エンタメも同じじゃねぇ?
YouTubeを見ていても、漫画を読んでいても感動はするぜ……?

うふふ♪
そう言うだろうと思ったわ。

というわけで今回は、アートとエンタメの違いについて解説していきましょう♪

1.目的が違う

エンタメは楽しむためのもの

歌琳さんは、エンタメと言われてどんなものを思い浮かべるかしら?

う〜ん、そうだな。
さっき言ったYouTubeと漫画以外だと、アニメとか映画とか、ゲーム、ミュージシャンのライブ……。
そういうものをまとめてエンタメって言うイメージがあるな!

そうね。
きっとみなさんも、歌琳さんと同じようなものが思い浮かんだでしょう?

こういうエンタメと呼ばれるものに共通するのは、すべて「楽しむためのもの」ということ

確かに!
エンタメを日本語訳すると「娯楽」ってなるけど、そこにも「楽しい」の字が入っているもんな!

……あれ、そうしたら泣ける映画なんかはどうなんだ?

確かに、悲しみを誘ったり苦しみを与えたりするコンテンツもあるわね。

でも、人がこういうネガティブな作品に触れるのは、泣いてすっきりしたり、苦しみに心地よさを感じたりするからなのよ。

そっかぁ、結局は楽しむために作品に触れているんだな。

アートは楽しむためのものではない

一方で、アートには楽しませる目的がないの。

喜びや悲しみ、苦しみや怒りといった感情や、奇妙や不思議といったえも言われぬ感覚を呼び起こすために、アートは存在するのよ。

なるほど!
エンタメの製作者は常に楽しませるために作っているけど、アートの製作者は楽しめるかは関係なく感情を動かすために作っているってことだな!

そうね♪

だから、ものによっては不快な気持ちになるものがあるのよ。

ちょうど最近(執筆時現在)も、あいちトリエンナーレの「表現の不自由展」の作品がネット上で炎上しているので、タイムリーなんですが、

「不快!こんなのはアートじゃない!」
と言うのは間違っている
のよ。

※本題とずれてしまうので、表現の不自由展の作品の是非については問うのはやめておきますね。

2.受け取り方が違う

エンタメは受け身でいい

アートとエンタメの違いを説明するとき、もっとも納得してもらえるのが「受け取り方が違う」ということよ。

受け取り方?

歌琳さんがYouTubeとか漫画を楽しむときって、どんな状態で楽しんでいるかしら?

え〜っと、そうだなぁ。
布団敷いて寝る準備して、寝っ転がりながら……。
あと、脇にポテチとコーラをセットして……。

全力で楽しんでいるわね。笑

でも、ほら、そのときとってもリラックスしていない?

まぁ、何も考えずにだらーっと楽しみたいからな!

そうなの。

エンタメって、ただ作品に受け身で触れているだけで楽しい気持ちになれるのよね。

アートは受け手の歩み寄りが必要

でも、アートはエンタメと違って、受け身では心が動かないの。

もちろん作品を見て、
「綺麗だなぁ」「うまいなぁ」
と感じることはできるわ。

けど、それって表面的にしか鑑賞できていないのね。

な、なるほど……。
それじゃ、アートをちゃんと鑑賞するためにはどうすればいいんだ?

鑑賞者は作品に歩み寄る必要があるわ。

具体的には、作品の意図やメッセージを汲み取る必要があるの。

アートと呼ばれるものには、すべて意図やメッセージがあって、それを汲み取るために

・作者がどんなメッセージを込めているか読んだり
・どういう制作背景があったのか調べたり
・どういう効果を狙った技法なのかを学んだり

しないことには、アートを鑑賞したとは言えないのよね。

ちゃんと勉強しないと鑑賞しちゃダメなのか……?
(勉強苦手や……)

いえいえ、そんなことはないわよ。笑

おしゃれだからというだけで作品を気に入ってもいいし、何も知らない状態で作品を見て自由に想像を膨らませていいの。

ただ、それだと芸術家がアートに込めたメッセージや、アートの本来の価値を分かったとは言えないし、それが原因で起こった悲劇もあるのよ。

悲劇……?(ごくり)

例えば、読んでいる漫画が面白くなかったら歌琳さんはどう思うかしら?

えっ?
う〜ん、「駄作だな〜」って思って読むのやめちゃうかな〜。

そうね。
面白さが大切なエンタメなのに、面白くなかったらそれは駄作よね。

じゃあ例えば、多くの人から評価されている漫画ではあるものの、自分には難しくていまいち面白さが分からなかった場合、どうするかしら?

う〜〜〜〜ん!
それは感想を言うのが難しいな……!
作品が悪いわけではないけど、うちは楽しめないってことでしょ?

ってなると、やっぱすぐ閉じちゃいそう〜。

そうよね。
結局読むのはやめてしまうわよね。

実はこれと同じことがアートの世界でも起こっているの。

どういうことだ……?!

歌琳さんは、「現代アート」って聞いてどう思うかしら?

そうだな、「なんだこれ!小難しい!」って感じ!

ふふふ♪
歌琳さんは素直で良いわね。

でも実はそれこそが、鑑賞者が歩み寄ろうとしていない状態なの。

あっ……!

エンタメであれば、別に受け取り手が歩み寄らなくても良いのよ。
面白いものが残り、つまらないものが無くなっていくだけなので。

ただアートの場合、表面的な美しさとかすごさだけで良し悪しを判断してしまうと、本来の評価基準である作品の意図や背景がないがしろにされてしまうの。

つまり、作品に歩み寄ろうとしない鑑賞者によって駄作扱いにされてしまうのよ……。

それは確かに悲劇だ……。

アートだしエンタメというものもある

ちなみに、パッと見はエンタメ作品なのに、実はアート作品というものもあるのよ♪

分かりやすい例だと、スタジオジブリの「もののけ姫」なんかがそう。

歌琳さん、「もののけ姫」は見たことがあるかしら?

あるぜ!

※国民的な名作なので見たことがある人が多いとは思いますが、ここから先、一応ストーリーのネタバレが無いようにしていきますので、ご安心ください。笑

見てみてどうでした?

主人公のアシタカがとにかくカッコ良かったぜ〜!
あと、シシガミ様がすごかった!

ふふふ♪

そんな感じで、「かっこいい」「美しい」「面白い」と、エンタメとして楽しんでいる人も多いわね。

アートとして鑑賞するとどうなるんだ?

そうねぇ。

私は「もののけ姫」を見たとき、さまざまなものの対立構造を浮き彫りにし、それと向き合っていく在り方を登場人物たちから見出したわ。

これは現代を生きる我々だけでなく、生きとし生けるものすべてに通ずる普遍的なテーマであって、日本の歴史的背景や文化的背景を色濃く反映したキャラクター設定やエピソードもあり……。

ルネちゃん……、さては「もののけ姫」好きだろ?笑

……コホンッ。

とまぁ、見たまま受け取れることだけでなく、前提知識があってこそ見えてくるメッセージや表面的な面白さとは別の価値が見出せる場合、それは「アート性もある」と言えると思うわ。

なるほどな!
身近なものでたとえてもらうと、なんとなく分かった感じがするな!

それは良かったわ♪

実は「もののけ姫」に限らず、エンタメ作品でありながらアートの要素を持っているものはとてもたくさんあるのよね。

アートは複雑な感覚を人に与える

さて、ここまでエンタメとアートの違いについて解説したけど、実は特に厳密に違いが定義されているわけではないの。

ただ、あえて簡単に言うとしたら、

アートは比較的複雑な心の動きを生じさせることが多い

というのがポイントね♪

要するに、

作品の表面的な娯楽性から、「ウケる!」「悲しい〜」「怖い……!」という感情を呼び起こし、その体験により心を満たせるものがエンタメ

作品から受け取れるテーマやメッセージから、一言では表現できない感情を呼び起こし、その体験自体に価値があるものがアート

って感じか!

その捉え方で合っているわ♪

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