アートとエンタメの違いって?

アートとエンタメの違いって?

アートが何かについては、「アートって何?」の記事でくわしくお話ししましたが、アートって要するに、

触れた人の気持ちや心を動かすもの

なんですよね〜。

……あれ?これってエンタメも同じじゃない?

と思った方、きっといるでしょう。笑

そんなあなたへ向けて、今回はアートとエンタメの違いについてお話ししていきますね!

1.目的が違う

エンタメは楽しむためのもの

エンタメと言われてどんなものを思い浮かべるでしょう?

アニメ?映画?漫画?ゲーム?アイドルやミュージシャンのライブ?

おおよそこういったものが思い浮かぶと思いますが、エンタメと呼ばれるものに共通するのは「楽しむためのもの」ということ

エンタメを日本語訳すると’娯楽’となりますが、そこにも「楽しい」の字が入っていますもんね。

あれ?泣ける映画とかは?

と思った方、いるでしょう。

確かに、悲しみを誘ったり苦しみを与えたりするコンテンツもあります。

ですが、人々がこういったネガティブなコンテンツに触れるのは、泣いてすっきりしたり、苦しみに心地よさを感じたりするから

結局のところ、楽しむために作品に触れているんですよね。

アートは楽しむためのものではない

一方のアートは、楽しませるという目的がありません。

喜びや悲しみ、苦しみや怒りといった感情や、奇妙や不思議といったえも言われぬ感覚を呼び起こすために、アートは存在します。

なので、アートは必ずしも楽しめるものとは限らないんですね。

ものによっては、不快な気持ちになるものもあります。

執筆時現在も、あいちトリエンナーレの表現の不自由展の作品がネット上で炎上しているので、まさにタイムリーだなって思いますが、

不快!こんなのアートじゃない!

というのは、間違っているんですよね。

(本題とずれてしまうので、表現の不自由展の作品の是非については問うのはやめておきますね。)

2.受け取り方が違う

エンタメは受け身でいい

アートとエンタメの違いを語るとき、聞いた人にもっとも納得してもらえるのが「受け取り方が違う」ということ。

あなたがエンタメ作品に触れるときって、どういう感じですか?

例えば、今巷で流行っている映画を見るときは?

映画館へ行って、ポップコーンを片手に、ゆったり座って……

そう!めちゃくちゃリラックスして楽しんでいると思うんですよ。

しかも、作品に触れている最中は作品を感覚的に楽しんでいますよね?

好きなバンドのライブなら、人に揉まれながら手を挙げて楽しんでいるでしょう。

大好きなギャグ漫画は特に頭を使わず、寝っ転がってゲラゲラ笑いながら読みますよね。

エンタメは、ただ作品に触れているだけで楽しい気持ちになれるんです。

アートは受け手の歩み寄りが必要

一方のアートは、受け身では心が動かないんですよね。

もちろん絵画を見て、

色が綺麗〜
うまい絵だなぁ

などと感じることはできます。

ですが、これでは表面的にしか楽しめていない。

なぜなら、その作品の本来の意図やメッセージを汲み取っていないから

アートは頭をからっぽにした状態では鑑賞できないんです。

アートと呼ばれるものには、すべてメッセージや意図があります。

楽しませることができないエンタメは駄作と呼ばれます。

アートの場合は、作品の意図やメッセージを伝える努力をしないと駄作になるのはもちろんそうですが、意図やメッセージを受け取ろうとしない鑑賞者によって駄作扱いになってしまう例もあるのです。

その典型的なのが現代アートですね。

現代アート作品を見たとき、

何これ?w
よくわかんないw

と思っている人、ひじょ〜〜に多いと思います。

実はこれこそ、鑑賞者が歩み寄ろうとしていない状態なんです。

(もちろん作品によっては、作者側にも問題がある場合もありますが)

というわけで、アートは受け取り手からの歩み寄りも重要になってくる点で、エンタメと大きく違います。

アートだしエンタメというものもある

ちなみに、見た目はエンタメ作品なのに、実はアートでもあるものってあります。

分かりやすい例だと、スタジオジブリの「もののけ姫」がそうだなぁと思います。

(国民的な名作なので見たことない人が多いとは思いますが、一応ネタバレしないように極力ストーリーに触れずにいきます。笑)

エンタメな部分だけ楽しむと、

疾走感があって面白かった!最後までドキドキしながら見れたな〜。

アシタカ、くっそイケメン。結婚してくれ。

シシ神がすごかった!!デイダラボッチがきもかったww

といった感想が出てくるのかな〜と思います。

アートの部分にも歩み寄ると、

違いから生まれる対立をどうやって乗り越えるか。
これは全人類共通のテーマだと改めて気付いたよ。

ハンセン病の患者が出てきたシーンで、私の生きてきた昔の日本を思い出したよ……。この作品が、差別と向き合うことの一つのきっかけになったわ。

といった感想が出てくるように思います。

「もののけ姫」はキャラクター設定や構成、演出がとても巧みなので、頭を使わずに楽しむこともできるものです。

ですが、宮崎駿監督のメッセージや作品の裏側にある普遍的なテーマに目を向けると、途端にアート作品「もののけ姫」としての側面が現れます。

実は「もののけ姫」だけでなく、このようにエンタメ作品でありながらアートの要素を持っているものは非常にたくさんあります。

アートは複雑な感覚を人に与える

エンタメとアートの違いというほどではないですが、エンタメが分かりやすい感情の動かし方をするのに対して、アートは比較的複雑な心の動きを生じさせることが多いです。

そういう意味では、ものすご〜〜く簡単にエンタメとアートを分けるとしたら、

何も考えずにパッと「ウケる!」「悲しい〜」「怖い……!」といった感情を呼び起こすものがエンタメ

意図やメッセージを汲み取って、一言では表現できない気持ちや感情を呼び起こすものがアート

と言えるかもしれませんね。

芸術って何?カテゴリの最新記事