「ロココ美術」を分かりやすく解説!

「ロココ美術」を分かりやすく解説!

今回はロココ美術について解説するわね。

ロココってなんかこう、貴族〜!優雅〜!っていう印象だな!

「ロココ美術」の代表作は?

まずは代表作を見ていきましょう。

ジャン・オノレ・フラゴナール「ぶらんこ」
ジャン・オノレ・フラゴナール「ぶらんこ」
1767年/ウォレス・コレクション(イギリス)所蔵
モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール「ポンパドゥール侯爵夫人の肖像」
モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール「ポンパドゥール侯爵夫人の肖像」
1755年/アルテ・ピナコテーク(ドイツ)所蔵
アントワーヌ・ヴァトー「シテール島への巡礼」
アントワーヌ・ヴァトー「シテール島への巡礼」
1718〜1719年ごろ/ルーヴル美術館(フランス)所蔵

イメージどおりだったぜ。笑

にしても、前の時代のバロック美術と比べるとだいぶ作品の傾向が違う印象だな〜。

「ロココ美術」の特徴は?

では、ロココ美術の特徴について解説するわね。

優雅で甘美な表現が特徴

ロココ美術とは、ロカイユという言葉が由来になっているの。

ロカイユってどういう意味だ?

ロカイユは岩という意味で、バロック時代に流行した庭園洞窟に特徴的な貝殻装飾の岩組のことを指す言葉だったわ。

そこから転じて、1730年代に流行した貝殻の曲線を多用したインテリア装飾を「ロカイユ装飾」と言うようになったの。

ロカイユ装飾の例

ロカイユ装飾の例。
参照:曲線が美しいロカイユ装飾 ブロンズウォールミラー – アンティークギャラリー Miniature(みにあちゅーる)

つるのように伸びる曲線が、貝殻というより植物っぽく見えるな!

そうね♪
複雑で曲線の多い模様が、ロカイユ装飾の特徴なの。

そして、このロカイユ装飾から元になっているロココ美術は、柔らかい曲線を多用した優雅で甘美な表現が最大の特徴よ。

ロココ美術は建物などの装飾だけで流行したものなのか?

そうではないわ。

最大の特徴である優雅さや甘美さを継承して、さまざまな分野で「ロココ的な表現」が流行したの。

例えば、金細工、家具、服飾、陶器といった工芸品もそうだし、その影響は絵画にまで及んだわ。

なるほどな〜。

曲線をたくさん使った装飾の様式からスタートして、時代を象徴する美術の潮流になったんだな。

宮廷のサロン文化から生まれた

ロココ美術は宮廷のサロン文化から生まれたものなの。

宮廷?
の、サロン文化?

宮廷は王族が住んでいる家のことよ。

そしてサロンは、王侯貴族のような上流社会の人々が知的な会話を楽しんだり、芸術鑑賞を楽しんだりするための場所のことね。

なるほど、金持ちの道楽ってことか!

言い方は下品だけど、あながち間違ってはいないわね。笑

ロココ美術はもっぱら宮廷のサロンで流行したわ。

最盛期となったのはルイ15世の愛妾であったポンパドゥール夫人が力を持っていたころ。

モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール「ポンパドゥール侯爵夫人の肖像」
ルイ15世の愛人だったポンパドゥール夫人。
家柄が良いだけでなく、才女でもあった。

ん?
ちょっと待ってくれよ。

ポンパドゥール夫人はあくまでルイ15世の愛人だったんだろ?
なんで力を持っていたんだ?

ポンパドゥール夫人は銀行家の娘で、若いころから平民でありながらサロンに出入りしていたわ。

そこでルイ15世に見初められて、公妾(※1)となるの。

ルイ15世は政治に対する関心が薄く、代わりに頭脳明晰だったポンパドゥール夫人がどんどん政治に口出しをするようになるのよ。

(※1)公妾:本妻以外に公的に認められた愛人のこと。

そんな経緯があったのか〜。

一方のルイ15世は「最愛王」と呼ばれていて、ポンパドゥール夫人以外にもたくさん愛人がいて、とても奔放な性格だったわ。

そんなルイ15世の治世下だったからこそ、その風潮に見合ったロココ美術が流行したとも言えるわね。

日本人が思う優雅な貴族のイメージは、この時代のフランスから来ているっぽいな。

「ベルサイユのばら」1巻表紙

池田理代子さんの漫画「ベルサイユのばら」は、まさにフランス革命前夜をモチーフにした漫画。
そして、日本人のフランス貴族イメージを作り上げたのも「ベルばら」と言える。

雅宴画が人気に

ロココ美術では、「雅宴画(フェート・ギャラント)」というジャンルの絵画が流行ったの。

それはどんな絵画なんだ?

王侯貴族が自然の中でゆったりと戯れている様子を描いた絵画よ。

代表作にあるヴァトーの「シテール島への巡礼」がまさにその代表的な作品よ。

アントワーヌ・ヴァトー「シテール島への巡礼」
ヴァトーの代表作「シテール島への巡礼」。
貴族のカップルたちが大自然の中でいちゃいちゃしている。

タイトルに「巡礼(※2)」って入っているのに、雰囲気がピクニックじゃねぇか!

(※2)巡礼:宗教の聖地や聖域に参詣すること。

男女ペアで戯れている感じがまさにロココ的よね。笑

ルイ15世の治世下だけ栄えた

最初ロココ美術のことをつい「金持ちの道楽」って言っちゃったけど、作品から伝わる奔放で自由な感じは悪い気しないよなぁ。

ところで、ロココ美術はどのくらいの期間流行ったんだ?

実は、1710年代から1760年代ころまでのたった50年ほどしか流行しなかったわ。

これはほとんどルイ15世の治世下、とりわけポンパドゥール夫人が力を持っていた時代だけで流行ったと言えるわね。

そんな短かったのか!

ルイ15世の孫であり、ルイ15世の後を継いだルイ16世は、装飾が少ない直線的で均衡のとれたスタイルを好んだため、美術様式も徐々に装飾性が失われていったの。

権力者の意向によっても美術様式が変わる時代だったんだなぁ。

「ロココ美術」が見れる場所は?

ロココ美術は日本人の貴族のイメージの一端を担っている親しみを感じるものではあるわね。

けど、ロココ美術の作品をまとめて見られる場所は日本に無いの。

う〜ん、それは残念だな。

ときどき美術館で企画展をやることはあるけど、もっといろいろ作品を見てみたいという人は、Amazonで画集や書籍を購入すると良いと思うわ。

▶︎ Amazonの「ロココ美術」のリスト

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